ウィルス性感染症についてもっと深く理解してみる!
□初めてのお客様に端的に解りやすくお話するため乱暴な表現もありますがご勘弁ください。


最近またこのウィルス性感染症と思われるトラブルでご相談をいただく機会が多々ありメールなどでは説明しきれないためこのグッピーにおけるウィルス性感染症について解る範囲で突っ込んてお話してみたいと思います。

今まではあまり露骨な表現は避けてお話していたのですがこの頃ご相談いただくお話はいちだんと深刻なお話が多いようで、聴きづらい表現もございますがダイレクトにお話いたしますので参考になさってください。

■まずウィルス性感染症の基本的な考え方
まずこの感染症と一般的な病気と発病のしかたに大きな違いがあります。
一般的な病気の場合は種族に関わらず感染した場合は発病します、ウィルスを原因とした感染症の場合は種族を選んで発病します。
つまりこのグッピーの感染症の場合、グッピーはひどく発病し尾びれをたたみ体が白く濁り水面に浮き上がっていても他の種族例えばエンゼルフィッシュ・ネオンテトラ・コリドラスなど他の種族はなにごともなかったように元気で泳ぎ回るという光景にになるのがウィルス性感染症の大きな特徴です。
つまり一定の種族を狙って発病してくるのが感染症の大きな特徴です、以外の種族は感染しても全く発病も無く影響はありませんがグッピーと一緒にするとやはりグッピーのみ発病してしまいます。

こうしたグッピーの症状をなぜ病気という表現をせずに感染症という表現を使うのでしょうか?
これはこうした症状を誘発している原因の違いによります、通常病気といわれる症状は菌・虫が原因による場合です。
今お話している症状の場合はウィルスが原因によるものです、このようにどんなウィルスが原因しているのかはっきりつきとめられていないため感染症という表現をと使っている訳です。

ここで菌・虫・ウィルスでなぜこんなに厳密に分けて対処しなくてはいけないのかという疑問が湧いてくると思います。
それは菌・虫とウィルスでは全く対処する方法が異なるというところにあります、また一般のお客様はこの区別を知らずに対応して大事になっているケースがほとんどです。
まぁおはずかしいお話ですがグッピーを営業とされている方々でもここら編の話は詳しく理解していないのが現状でこうした感染症が全国的に沈静化出来ずにいるいち原因でもあります。

まず菌・虫とウィルスの違いについてお話する必要がありますね。
非常に乱暴な表現になりますが、菌・虫は生命体であることは説明の範囲ではありませんが生きている訳ですから菌には殺菌剤で、また虫には殺虫剤で効果的に完治することが可能です。
ところがウィルスは強いていうのであれば生命体とタンパク質の結晶体の中間体のようなものなのだそうです、つまり生きているというよりあるという表現の方がが近くなります。
ですから生きていないのですから死なない?要は薬が効かないということになりますし水があっても無くても関係なく存在できる訳です、これがウィルスの厄介なところです。

ではどうすれば良いのか?要は破壊するという考え方しかありません。
ウィルス自体はタンパク質ですから破壊することは可能です、いくつか方法を上げてみましょう。

*まず考えられるのは高温です、焼肉(肉はタンパク質ですから)の白くなる温度、54℃以上が必要です、水槽を消毒するにはガラスが割れるくらいでないと効果はありません。
*劇毒物ですがフォルマリンに浸す、絶対できです。
*一番現実味があるのは塩素系殺菌剤です、つまりキッチンハイターに浸す。

このような方法でウィルスを破壊駆除することができます。
「チヨット待ってください、これらの方法ではグッピー本体が生きていないではないか?」そう気づかれましたか。
つまりウィルスに感染した個体は処分するしか方法は無く残念ながら助けようがないのです、したがって絶対に持ち込まないようにというアドバイスをするしかない訳です。

ここまでお話してきたところで「いや、私のところでは塩・薬品によって全部とはいわないが症状が治まっていますいますよ」とおっしゃる方もおられると思います。
これはグッピーに感染しているウィルスの種類によるものです、こうした症状の出方をするものをキャリア性ウィルスといいます、ではこの辺を次の項で。

■キャリア性ウィルスの症状
このキャリア性ウィルスは飼育槽にはいるとまずグッピーの細胞に自分のDNAを注入します、するとグッピーの持っている本来のDNAの末尾にこのウィルスのDNAがつながります。
この時点で病気的な症状がでます、稚魚などはヒレを閉じてこれをまるで尾びれが針のように見えるためハリ病などと言いますが、親も尾びれをたたみ体が白く濁り水面に浮き上がります。

感染するとこうした症状は早い場合で翌日、通常で2〜3日で現れ大半の個体は死に至ります、がそのまま何もせずに放置しますと7〜10日もすると約2割くらいですが何事もなかったように、まるで完治したかのように泳ぎだします。

この際塩などを添加しますと死亡率が下がる場合があります、これは生理的食塩水というやつて塩分濃度をグッピーの体液の濃度に近づけることで新陳代謝の働きを上げ体調を整えで抵抗力を上げるというものです。
また、薬物の添加はかえって体調を落とし死亡率を上げることになります。

このように一旦ウィルスに感染して生き延びた個体は決して完治した訳ではありません、細胞の中にウィルスのDNAをだきながら感染症の症状がでないという個体になります、これをキャリアといいます。
こうした個体は、尾びれの開など悪くなりメスは体格が大きくなりづらくなり、抱卵してもお腹が大きく膨らまないというような外見的な特徴が現れてきます。

これだけではおさまりません、こうした個体が産仔した場合生まれてくる仔たちは生まれ落ちる時親からウィルスをもらい発病してまた約2割残るという繰り返しの連鎖になります。
グッピーを長く飼育しているのにちっとも増えないというのはこのパターンです。

こうした連鎖のうちに何らかの引き金により爆発的に発病する場合が出てきて全滅するという経路をたどる場合と完全にウィルスを飲み込んでしまいその水槽のグッピーは問題なく育っていくが他からグッピーを持ち込むと1日持たずに死に至る私どもは陰性のキャリアとよんでいますが、その際全滅に至るといったパターンに二分されます。
感染しても全部死なないという厄介な部分の終端です。

■感染した個体に対する対策
では感染した個体に対して対策はあるのか?
残念ながら処分するというのが本来は良作であるのが間違いないのですが、どうしても思い入れがあったりで処分せずに何とかしたいという場合もございます。

こうした場合は私どもで販売している「グッピー元気」またそれに順ずる商品をお使いになってみてください。
詳しい商品内容はその項をご覧いただくとして、簡単に説明致しますとこの「グッピー元気」から生産されるセルロース分解菌がウィルスの動きを抑制しキャリアになった個体を正常な状態に保つというものです。
しかしこれは感染症が治療できる訳ではなく「グッピー元気」が稼働している環境のみ正常な状態が保てるというものですがひとつの対策のはなります。

しかし感染した個体、感染した可能性のある個体は基本的には処分する事ををおすすめします。

■感染した個体を処分した後の飼育器具などの処置

一度感染症を持ち込んでしまった場合、水槽をはじめとした飼育器具は完全に消毒をする必要があります、ただ流水で洗ってもまた乾燥させても先程お話したウィルスの特性上それだけでまた飼育を始めるとまた感染症が再発することがほとんどです。
そこで一般的で行い易い方法としては塩素系の殺菌剤で使用していたすべての飼育器具を処理するものです。
飼育していた水槽に縁一盃に水を張り今まで飼育に使っていた器具をすべて水槽に入れて(電気製品の場合はコンセント部分は水につけない)水槽に塩素系殺菌剤(キッチンハイターなど)を入れ一晩放置し、ろ過材や底砂などは新しいものと交換する。
強い刺激臭がでますので室内は避けて、換気の良いベランダや野外で行ってください、水槽の底にわずかな白沈がでますがこれが分解されたタンパク質です。
後に流水で良く洗い塩素が心配でしたら再度水槽に水を張り水換え時に使う中和液を多めに使用していただくと安心です。

この際、今まで良い言われてき一旦乾燥させるとか熱湯を通すというのは効果が期待出来ませんのでご注意ください。

■感染症を持ち込んでしまった水槽中の水草・流木の処置
水草や流木は薬物で処理という訳にはいきません、とくに水草などは生体ですから手の打ちようがありません。

時間がかかりますがこうした方法があります、まず別にに塩素系殺菌剤で処理した水槽か新しい水槽を用意してセットしてください、そこに感染症を持ち込んでしまった水草・流木を入れて、約21日放置します。
この際生体を絶対に入れてはいけません、21日後感染症の心配のないグッピーを入れてみて基本的日は21日ですが感染症の発病の兆候がななければOKということになりますが、ここまでやって残す必要があるかどうかは自己判断になりますが。

■感染症と見間違う症状
こうしてお話してきますとすべてがこうした感染症という気分になってしまいますが、それはハッキリと区別して対処しなくてはなりません。
当然水質が合わなければ話は論外なのですが、よく似た症状にカラムナリスがあります体が白濁して見え尾びれをとじて水面に上がるところはそっくりですがこれらはパラザンDなどで完治することができます。

感染症の場合はこんな発病のしかたをします、新しくグッピーを導入したら2日もしないうちにいきなり発病します。
こうした場合はウィルスに感染していない個体の方がひどく発病しキャリアであった個体は割合となにごともなかったようにしているものです。
また仔をとった時に仔にハリ病が出る場合は間違いなく親はキャリアと考えた方が良いでしょう。

■では感染症にどう対処するのか
これにはまず感染症の心配のない個体を手に入れてください品種はなんでも構いません、ご心配でしたら私どもにご相談ください。

グッピーですから今までお話したような症状がなけれは簡単に増えていきます、そこでこうしても品種を維持していく上でいくらかの淘汰が必要になります、この部分を使います。
新たにグッピーをまた水草を持ち込む場合はまず別に水槽をセットしてその中に新しく持ち込む品種を入れ上記の淘汰する個体を一緒に飼育します。
この状態で21日飼育してなにごともなければ後は一緒に扱ってかまいません。

このような検疫体制をとるしかないということになります。

本来はこんな心配をしなくてはいけないような個体はやはり持ち込まない方が無難だというのが結論です。
私どもではこうした処理後のグッピー・水草を販売させていただいている訳です、参考になりましたでしょうか。