グッピーは大変に丈夫な魚であり、飼育するのにはよほど乱暴な扱いをしない限り、病気らしい病気はそうはありませんが、ここ数年前から突然に発生したウィルス性の感染性が今のところ一番大きな問題です。

ウィルス性感染症
もともとは東南アジアからの輸入グッピーから日本に媒介しました。
現在でもほぼ全ての輸入グッピーが持っていると考えていいでしょう。
症状は尾びれを閉じて水面に浮き上がるが底に下りて動かなくなり体がボーッと白く濁ります。
こうしたウィルス性の感染症は基本的に薬では対処できません。
もう一言つめていえば、近年は人間に対して抗ウイルス剤もあるようなので基本的には抗薬剤もありうるのでしょうが、とにかく小さな体でありますから全治するまで体力が持ちません。
残念ながら処分するしかありません。
また、キャリアといって、親は発病していない(感染しているのに発病しない固体)のにその親から生まれた仔の尾びれが閉じてしまい、ハリのようになってしまうものです、この場合、親が仔に感染させている訳です。
これは親を見ただけでは判断が出来ないので質が悪いです。

話を聞いていると不安に思われるでしょうが、話は簡単なのであります。

こうしたものを水槽内に持ち込まないこと、これが基本です。
特に輸入グッピーは非常に危険です。またハリ病(尾びれが閉じでしまいハリのようになってしまう)が出るグッピーも非常に危険です。
また、グッピー以外の輸入の魚、たとえばネオンテトラやエンゼルフィッシュ、コリドラスなど輸入の魚とは一応一緒にしない方が無難でしょう。

このようになウィルス性感染症は特定の品種のみが発病します。
ネオンテトラやエンゼルフィッシュ、コリドラスなどほかの魚は何とも無いのにグッピーのみに発病します。ここが厄介なところです。
とにかく持ち込まない事。

私どものところ(poecilia.com)では、こうした感染症が日本に持ち込まれる以前からの品種が多く居り、そういった品種を使い、また感染症の持ち込みが無いような検疫体制をとってきましたから安心して購入飼育していただけます。

このように、感染症さえ持ち込まなければグッピーはほとんど大病と言うものは無く、多くの場合は水質からのダメージが原因になっています。
たとえばろ過が上手く働かずに亜硝酸が高くなった場合、PH値が適正値6.8〜7.3からずれた場合なども先ほどお話いたしました感染症の症状とそっくりな感じになりますので、しっかりと水質は管理していただき、冷静に対処する事が必要です。

テトラヒメナ寄生
もうひとつテトラヒメナという原虫の一種が寄生するものがあり、これも基本的に持ち込みの場合がほとんどです。
水替えをサボるとグッピーの調子が悪くなるなどと言う場合は、このテトラヒメナが寄生していることが考えられます。
マラカイトグリーンを含んだ薬を投与すると一時抑えることはできますが、一旦持ち込むと完全に除去することが難しいので要注意です。

症状が昔からある白点病と似ていて、弱い白っぽい小さな点が現れることがあります。これを白点病と言っている方々がおられるようですが、これはテトラヒメナです。
判別は、白点病の場合初期時は尾びれから白い点が表れますが、テトラヒメナの場合は無差別に体全体に現れます。
最終的にこのテトラヒメナがウロコを持ち上げ皮下組織まで進入し、グッピーを死に至らせます。

輸入グッピーに寄生した場合は大きな白い塊になりますが、国産グッピーに寄生した場合は白点程度にしかなりませんのでよく注意してみてください。
しかしこのテトラヒメナも基本的に持ち込みが原因ですので、疑わしいグッピーは絶対に水槽内に持ち込まないようにしてください。こらは基本です。

後は、一般的な病気・症状・対処法です。

白点病
最近ではほとんど見られませんが、極端な水温変化などに合った場合に発病することがあります。
初期時にはヒレから白い点が現れます。悪化すると体全体に白い点が現れ死に至ります。初期の段階で水温を27度ぐらいの高めに設定し、メチレンブルーかマラカイトグリーンを含んだ治療薬を添加すると完治できます。
現在、この症状の場合、上述のテトラヒメナの場合が多いので注意してください。

カラムナリス病
カラムナリス菌の感染によって尾びれや体が解けるように無くなっていきます。症状の進行が早いので、早期の対処が必要です。
パラザンDかグリーンFゴールドリキッドの投与が効果的です。
規定量を添加し一日置いてからもう一度規定量を添加するのがポイントですが、2度投与しても改善が見られない場合はウィルス性感染症と考えた方が良いでしょう。
この病気も外部からの持ち込みが主な原因ですので、とにかく持ち込まない事。

マツカサ病
ウロコが逆立ち松かさの様になるものです。
エロモナス菌の感染による場合もありますが、意外に水質からくることが多いものです。 ろ過材を洗わずに水替えのみ行っている水槽に見受けられます。
グッピーを正面から見ていただいて、左右均等にウロコが立っている場合は完治が難しいですが、部分的にウロコが立っている場合は、まずろ過槽の掃除をしていただき、この際水換えはせず、パラザンDかグリーンFゴールドリキッドの投与が効果的です。
この症状は感染しないようなので、とにかく環境の改善が第一のようです。

スレ病
乱暴な扱いによって尾びれなどがスレてしまい、白く濁ったり鬱血したり、最悪尾びれが裂けてしまう事があります。
また極端な水質悪化でも尾が解けてしまったり似たような症状になります。
水質からの場合は早急に水質を改善する必要があります。
乱暴な扱いによってなった場合はすぐに死に繋がる事はありませんが、一応予防をしておいた方が無難です。
こうした場合は、塩やグルーンFゴールドなどを投与し殺菌しておくと良いでしょう。よほど症状がひどくない限り心配は無いと思います。

水性ダニ
こんな個体をご覧になったことはございませんでしょうか?
尾びれの縁に赤くうっ血したような塊がいくつか現れてくる、別に他の個体につつかれているようでもなくだんだんに尾びれが短くなっていく、これは一見スレに見えますが実は水性ダニによる食害であります。
ダニは口で噛み切って食べる訳ではなく口からタンパク質を溶かす酵素をだし尾びれを溶かしてそれを吸い取るようにして吸収していきます。
それによって尾びれが短くなっていってしまう訳です、このように水性ダニによる被害はこうした尾びれの欠損にはとどまらず他の感染症・病気を媒介することが考えられます。
それは水性ダニの種類によっては塩素系殺菌剤でも駆除出来ないものもあるようで完全に駆除するにはリン酸系殺虫剤を使うしかなく一旦持ち込むと非常に厄介なしなものです、なんど塩素系殺菌剤で水槽を処理してもまた感染症が再発するなどという水槽はこの水性ダニの持ち込みが考えられます。

新しい寄生虫
最近知ったのですが輸入グッピーから媒介したようです、お腹の中に寄生するものがいるようです。
この寄生虫は抱卵したメスに寄生した場合お腹の卵を食べてしますようです、体格が大きいメスの個体なのに生まれてくる仔の数がどうも少ないという場合はこの寄生を疑ってみる必要があります。
現在のところ対処の方法がないのが現状です。

ヒドラ
これは病気とゆう訳ではありませんが、ブラインシュリンプを強く与えている水槽に見られるものです。
非常に小型の淡水イソギンチャクのようなものです、水槽のガラス面に定着して繁殖していきます、ひどく繁殖した場合はまるで草原のように広がっていき最悪グッピーの稚魚が食べられてしまう事すらあります。
ヒドラは生きたタンパク質(生きたプラインなど)を食べるためドライフードのみで
飼育するとだんだんに消失していきます。
どこから持ち込むのか不明ですが、何故かブラインシュリンプを強く与えている水槽に発生します。

以上こんなところでしょう、このように二次的に飼主の不注意で起こるものは別としてとにかくグッピーに対して致命傷になるものはすべて持ち込みが原因で発病するものです。
とにもかくにも、スタート時のグッピーが重要です。後はグリーンFゴールドぐらい用意しておけばOKでしょう。