水草を飾った水槽でグッピーの自然繁殖をたのしむ  Part 3


うるさいことを言えば

現在流通しているグッピーの大半は水槽内で繁殖されたものでありますから、水草の中を泳ぐ事が彼らに対してどうなのかというのは元来疑問な部分はあります。
また、現地採集のものにしても自然の環境が私たちが想像しているような透明で光るような水の中に萌葱色の水草たちが繁茂しているなかを泳いでいるのかというとこれもまた疑問なところです。
こんなことを言い出してしまうとみのふたもない話になってしまいますが。
水草を美しく飾りグッピーを楽しむのはある意味で仮想空間である訳です。
良く水草を植える品種で「これは東南アジアでこれはアフリカである合わない」などと言いながら水草をレイアウトしているかたも居られますが、元来仮想空間の中でありますからこだわる事自体が無意味なことなのかも。
まず、水草に対してはこうしたラフな感覚を持っておいていただくといいです。

とにかく水草を沢山植え込む

自然繁殖を狙う訳ですから、産仔した時に仔を守るように十分に水草を植え込まなければなりません。
出来ましたら水槽底を一面に被うようにするのが理想ですヘテランテラ・ハイグロフィラ・ウィステリア・ミクロショリューム・などが扱いやすいです最近では初期タイプのパールグラスなどもかなり低光量に順応してきておりお勧めです、そして水面の三分の一ほど水面に浮く水草を入れる事がポイントです、そうですねマツモ・ウイローモス・ウォータースプライトなどがいいでしょう。
順調に進めば水槽いっぱいに稚魚が泳ぎだすことになりますので、あまり頻繁に水変えを必要としないバランスの取れた飼育水槽をめざします。

どんなグッピーが向いている?

水草と楽しむ場合色々なやり方があります。
たとえば淘汰をしたオスのみをランダムに飼育して美しさを楽しむ、メスといっしょに飼育しない事によりオスの寿命も長くなりうまい方法です。
万一淘汰を失敗した場合でも残しておけば修正も効きますしお付き合いのお客様ではけっこうやっている方が多いです。
これとは異なり水草の中で飼育しながら増えていってくれる、一石二鳥が狙い目です。
私どもラウンジの水槽はすべてこうした水槽です。
こうした場合品種的に安定している事が第一条件です、そうでないと水草水槽での淘汰は大変に手がかかり手が回らず最終的にバラケテしまうことが多いです。
安定した品種ならなんでもいいのですが、品種としても良い状態で維持できお勧めできる品種はやはりワイルド系品種のキビキビと快活に動くものが良いです。

これで育つ理由は………
まず前回の項でお話いたしました水草の育つ環境の変化が一つ上げられます。
最近の水草は弱アルカリ性の水質の方が良く育ちますから、一昔前のように二酸化炭素を添加しながら飼育槽のPH値を弱酸性にしないということです。
ネオンテトラやラスボラのような小型の魚と水草を合わせるのと違いグッピーの場合は水草水槽で飼育するとどんどんと繁殖していきます。
これもポイントの一つです、繁殖した多くのグッピーたちがある意味で生きた二酸化炭素拡散装置のように働きます。
グッピーから排出された二酸化炭素は光のある状態では水草に吸収され、グッピーに餌を与えた場合のような多量に二酸化炭素が排出された場合などは水草から酸素が放出される様子がみられます。
しかし水草は夜間は呼吸をはじめて光のある場合と反対に酸素を欲しがり二酸化炭素を排出しますので、ゆっくり弱くとエアーレーションをして夜間酸欠にならない程度にしてエアー量のバランスをとるのがポイントです。
このような簡単な設備でこうした様子が見られるのはグッピー水槽の特権でありましょう。

そうですね、捕捉するとすれば水草1本が二酸化炭素を酸素に処理する量はしれています、とにかくこのようなシステムて水草とグッピーを楽しむには水槽に植えられるスペースにまんべんなく十分な水草が必要だということを認識しておいてください。

こうした育成方法は時代の先端?
今までの水草水槽は大変に多くの設備と費用がかかりました。
今までお話したシステムは時代と共に変化していくというか順応してきている水草や水槽としてのビオトープの解明観察から可能になってきているものです。
水草が本格的にアクアリュームに持ち込まれてきた初期の時代では考えることも出来なかったものです。
また後日お話しようとおもいますが、「とてもじゃ無いがわけわからん」とおっしゃったお客様も居られましたが人気のカップフィルターもこのシステムに一役かつています。
設備による力技ではなく生体とのバランスをとるという手法がこうしたスタイルを産んできったといえます。
うるさいことをいわづに気楽に楽しめ手がかからない時代が来つつあるということです、次回はグッピーの自然繁殖をたのしむです。
私もこうした取り合わせが大すきで、ウィーンエメラルド・エンドラーズ・ラズリーアクアマリン・プラチナピンテールなど大変に綺麗な水槽が出来上がります。
最近はウィーンルブラの水草水槽もはじまりました。
とくに原種型エンドラーズは人気があります、水槽一本あれば楽しめるこんな方法の一考かと。

植え込む水草のなかで

こうした水槽でもやはりウォータースプライトは重宝はものです、水槽底一面のウォータースプライトなどもいけてます。
さあ〜このウォータースプライト、昔からグッピーにはウォータースプライトと言われているのでありますがこの水草には本当は秘密が………・というお話は次回。