まずはこんな交配から遺伝の面白さを知ってください
グッピーの入門的品種の代表のひとつであるレッドグラス。
繊細な細かいスポット模様に下地の赤色の表現の取り合わせが大変に美しいものです、このレッドグラスをRREA(リアルレッドアイアルビノ)種にしてみようというわけです。
RREA種はグッピーに黒を表現するメラニン細胞が抑制されており、目は真っ赤で全体の表現は透明度の高く色彩が誇張され独特な美しさが表現されます。
このRREA種(リアルレッドアイアルビノ)を作出してみようという訳です。
レッドグラスをどんな品種と交配させていくのか?
それではどんな交配をするかといいますと、単純な話普通体色のレッドグラスに何かのRREA種を交配させる訳ですが。
ここではレッドグラスの雄にRREAグラスコブラの雌を交配させてみることにします。
さてその交配結果は・・・・・・・
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レッドグラスの雄にRREAグラスコブラの雌を交配させる
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得られた仔です
これが交配した仔です、これを雑種第一代といいます、よくF1と表現されるのはこの雑種第一代の仔のことです。
あれあれ面白いですネ、この仔たちにはコブラの模様が体に表現されていません、雄親と同じすべての仔の表現はレッドグラスになりました。
ましてすべてが普通体色になりRREAの表現をする仔は一つもありません、面白いものですね、いったいRREAとコブラの表現はどこに行ってしまったのでしょうか?
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これは雑種第一代どうしを交配させた仔たちです。
これを雑種第二代(F2といいます)です、ここでついにRREAレッドグラスが出現しました。
表現はすべてレッドグラスになりました、コブラ模様はいったいどこに行ったのでしょうか?
結果的にこうしたことになります、最初の交配に使ったRREAグラスコブラの雌はコブラ模様を遺伝的には持っていなかったという訳です。
ですからコブラ模様は雄のみが持っているという訳です、これがいわゆるY型と言われる遺伝的な要因で性染色体上のYにいるというお話で男の子だけが持っているものということです、ですから他品種をいくら雌に交配させても二度とコブラ模様は現れないわけですね。
やっとRREAレッドグラスが現れました
やっと現れたRREA種はどうして一度の交配では表れなかったのでしょうか?
このRREAという遺伝的な要因は雄・雌関係なく双方ともに揃って持つことが必要になります、そして表現としては普通体色に対して劣勢の表現になります。
したがって胴胎交配して二世代目にやっと揃ったものだけやっとRREAを表現できる訳です。
実際にこうした交配から得られるRREAレッドグラスの仔は一腹で大体4〜8尾くらいです、後はすべて普通体色レッドグラスになります。
しかしこうしてやっと得られたRREAレッドグラスどうしの仔から生まれてくるのは劣勢の表現力どうしが揃ったわけですからすべてRREAレッドグラスになります、固定品種であります。
このようにして作出されたRREAレッドグラスは大変に繊細で美しい品種です。
一つの品種を普通体色からRREA種に換えるこの交配でも二世代かけて早くても半年ほどはかかりますが、これだけの時間と忍耐かけてもこうして作出された品種には飼育するものの思い入れも加わり愛着のあるものです。
グッピーとお付き合いするものの醍醐味でもあります、まずはじめてみるそれがいいかもです。
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